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交通事故について

 

私は、これまで勤務弁護士時代を含めると100件以上の交通事故案件を扱ってきましたので、多摩地域では多い方ではないかと思います。死亡事故案件や高次脳機能障害が生じた案件も取り扱ってきました。
また、過去には国分寺市の交通事故専門相談員を行っておりました。

 

依頼の大半は被害者からのものです。現在、自動車の大半は任意保険に加入しており、被害に遭われますと、事故からしばらく後に加害者の加入する保険会社の職員より連絡があるのが通常です。
賠償についての保険会社からの提示額ですが、一般には、裁判所の示す基準額を大きく下回ることが多いです。
弁護士は裁判所の判断基準を元に交渉を行いますので、特殊なケースを除き、弁護士へ依頼をした方が賠償額は上がると言えます(ただし、賠償額の上昇分が少額の場合、弁護士費用との関係でメリットがないケースもありますので、そのようなことが見込まれる場合には、ご相談の際に説明をさせて頂きます。)。

 

過去の事案例
一部ではありますが、過去、以下のような事案がありました。

 

1 過失割合が争点となった事案(複数あり)
交差点でのバイク対自動車事故など、過失割合が争点となるケースはかなりあります。保険会社の当初主張していた過失割合よりも、最終的に裁判所が認定した過失割合または、和解の前提となった過失割合が被害者側に有利となるケースは決して少なくはありません。

 

2 年収額の認定が争点となった事案(複数あり)
逸失利益は、主に、事故がなければ将来、これだけ稼ぐことができたであろう、という額だとお考え下さい。30歳以上でサラリーマンの方であれば、年収額の評価についてあまり争いになることはないのですが、自営業の方の場合、保険会社は可能な限り年収を低く見積もる傾向があるように思われます。また、若年の方の場合、一般に年収は低いのですが、この年収をベースとして将来の逸失利益を主張する保険会社の担当者も少なくありません。

 

3 後遺障害の認定が問題となった事案(複数あり)
後遺障害の等級認定は、後述のとおり、損害保険料算出機構が認定します。この認定を得る手続は極めて重要です。診断書の記載が不十分である場合など、担当医に連絡をし、診断結果のみならず、その過程についても詳細な記載を依頼し(どのような反応テストを行い、その結果がどうであったかなど)、妥当と思われる等級認定を得たケースが数件あります。

 

4 因果関係が問題となった事案
いかに後遺障害があっても、それが事故によって起こったものでなければ損害賠償に評価されません。事故によって後遺障害が引き起こされたといえること、を因果関係というと思って下さい。高齢の方の場合、入院を機に歩行困難となったり、認知症が発生するケースがあります。全てのケースではありませんが、事故とこれらの障害の間に因果関係が認められたケースがあります。
高次脳機能障害が問題となったケースでも、因果関係が問題となりました。当初、保険会社側は、事故と高次脳機能障害の関係について十分な立証がない限り因果関係が認められない、と主張しておりましたが、最終的には、ある程度、  事故と高次脳機能障害との因果関係を認めた額での和解となりました。

 

5 等級認定14等級が得られるか微妙な事案(複数あり)
実際に事件を処理しておりますと、一番多いのは頸椎捻挫等の神経症状が認められるも、器質的損傷のある画像所見がなく、14等級が認められるかが問題となる事案です。当事務所ではこのようなケースを多数扱っております。
医療機関にて診断書を作成して頂く際、画像所見がない場合には、各種テスト結果につき詳細な記載をしてもらうことが望ましいです。

 

6 刑事事件の弁護人となった事案(加害者側 複数あり)
交通事故の加害者側となった場合、自動車運転過失傷害罪等を理由として刑事裁判を受けることがあります。当事務所では刑事裁判の弁護人についてもご相談に応じております(執行猶予を得ているケースが多数あります。)
交通事故で人に怪我をさせたのが初めてであり、対人・対物無制限の任意保険に加入しており、飲酒・無免許・大幅なスピード違反がなければ、執行猶予を得られる可能性は十分にあると思われます。
任意保険に未加入のケースであっても、執行猶予判決を得たケースがありますので、まずはご相談下さい。

 

7 加害者が自動車ではなく自転車であった事案
加害者の賠償力が問題となった事案でした。加害者が賃貸マンションの火災保険の特約で個人賠償保険に加入していることが分かり、保険金にて賠償を得ることができました。

 

8 収入関係の資料が十分ではない事案(複数あり)
自営業者など場合で申告をされていない方がときどきいらっしゃいます。全体の金額にもよりますが、訴訟を行ない、ある程度の休業損害や後遺障害における逸失利益を得られるケースがあります。

 

9 加害者側で任意保険に加入していない場合(複数あり)
自動車よりもバイクの場合に多いケースではないかと思われます。任意保険に加入していない場合、被害者側との交渉は弁護士をつけなければご自身で行なわなければなりません。当事務所では、このようなケースで被害者側と交渉、示談をしたケースが複数あります(なお、過去の案件では、刑事事件の弁護も一緒におこなっておりました。)。

 

10 保険会社の提示額よりも1000万円以上の増額を図ることができたケース(複数あり)
後遺障害9等級以上の場合や死亡事故の場合、保険会社の提示額よりも1000万円以上の増額を図ることができたケースが何件かあります(ただし、いずれも訴訟を行なっております。)。

 

 

損害の内訳

損害は、大きく分けて

①医療費や通院にかかった交通費などの積極損害と呼ばれるもの、

②仕事を休むことにより得ることができなかった得べかりし利益に関するもの(消極損害)、

③事故による精神的損害を補填するもの(慰謝料)
があります。

 

後遺障害が重い場合や死亡事故においては、②消極損害や③慰謝料が高額になるケースが多いです。

 

①積極損害のうち、入通院が必要なケースにおきましては、当初、保険会社が負担してくれるのが一般的な扱いです。
(後で賠償額が決まった際に精算となります。過失割合などによっては異なるケースもあります。)。
また、強制保険分の請求についても任意保険の会社で対応してくれます(任意一括といいます。)。
ただ、入通院の期間が半年程度になりますと、保険会社より、症状が固定したものとして、入通院費の支払いを拒まれるケースが多いです(その後も健康保険への切り替えによってしばらく支払ってもらえるケースもあります。)。
交通費につきましては、タクシーや自家用車を使用した場合には、タクシーやガソリン代、駐車場の領収書を保管しておく必要があります。

 

②消極損害については、サラリーマンの方が有給休暇を使った場合損をしていないのではないか、と思われるかもしれませんが、現在の判例では、有給休暇を使用していても通常は消極損害が認められております。
どのような場合に消極損害が認められ、または認められないのかについてはかなり複雑ですので、ご相談の際に説明をさせて頂きます。

 

③慰謝料については、さらにⅠ入院・通院慰謝料、Ⅱ後遺障害による慰謝料、Ⅲ死亡による慰謝料の3つに分けて考えることができます。
Ⅰ入院・通院慰謝料は、入院・通院期間に応じて認められる慰謝料です。
Ⅱ後遺障害による慰謝料はちょっと複雑です。後遺障害があった場合、損害保険料算出機構(「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づいて後遺障害を認定する機関です。)に後遺障害の等級を認定してもらうことになります(現在の実務においては、交渉にせよ、裁判にせよ必要なプロセスと考えて下さい。)。

 

等級は1~14等級に分かれており、1等級が一番重度な後遺障害です。14等級は頸椎捻挫(むちうち)が多いです。
後遺障害がある場合、この損害保険料算出機構による等級認定は極めて重要な手続となります。
といいますのは、実務はこの損害保険料算出機構の認定した等級を元に後遺障害の慰謝料を決定するという扱いがほぼ定着しているからです(裁判所においても同様であり、裁判所で等級自体を争って、裁判所の後遺障害に関する判断が損害保険料算出機構より重くなったケースはあまりないのではないかと思います。)。

 

基本、一発勝負と考えて下さい(一応、認定を争う手続もあるのですが、新資料がある場合を除いて、あまり実効性はないと思っております。)。
当事務所は、これまでの経験から、等級認定の基礎となる診断書を取得するに際し、医師にどのような診断書を書いてもらえば等級認定に有利になるのかをご説明させて頂きます(診断書を見ますと、症例があっさりとしか書いていないようなケースがあります。症状を具体的に、詳しく書いてもらう必要があります。画像診断において器質的損傷が明らかではなくても、種々のテスト結果や自覚症状の所見についても詳しく書いてもらうことにより、等級認定が有利となる可能性があります。)。

 

過失相殺

加害者側が100パーセント悪いことも少なくはないのですが(被害者が歩行者の場合など、この傾向が強いです。)、自動車対自動車の場合などは過失相殺がされるケースが多いです。

 

弁護士費用

着手金のない場合

賠償額の10%より(消費税別)
※賠償額の見込みが低額の場合には報酬率を上げさせて頂き、高額となる見込みの場合には下げさせて頂いております。15パーセント~25パーセント程度(税別)のことが多いです。また、交渉か裁判か、予想される難易度等によっても率を変えさせて頂いております。賠償額取得の見込みが低い場合には、着手金なしではお受けできない場合があります。

 

着手金のある場合
着手金の額  30万円(税別)より
報酬金の額  賠償額の6パーセントより(税別)  ただし、最低額を30万円(税別)とさせて頂いております。

※任意保険の弁護士特約を利用する場合につきましては別途ご相談とさせて頂きます(旧日本弁護士連合会報酬基準またはLAC基準による場合が多いです。ただし、最低額を着手金、報酬金とも原則30万円(税別)とさせて頂いております。)。